第2回ゲームマガジン新人大賞「集結セヨ!新世代ゲームクリエイター!」

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ゲームマガジン編集部は、
新世代のゲームの作り手を募集します!

ゲームの世界に、「個人」の制作が
脚光を浴びる時代
が戻ってきました。
ラノベでも漫画でも満たされない、
あなただけの想い、 あなただけの世界を、
ゲームで”カタチ”にしたい人
へ。

ぜひここに、
あなたの作品をぶつけてください。

ゲーム部門 ゲームを作って応募!

                        

総評

 
 「第二回ゲームマガジン新人大賞」のゲーム部門は、豊作回となりました。

 実は「電ファミニコゲームマガジン」時代から数えると、ゲームマガジンの新人賞は今回で4回目の開催となります。しかし、ここ2回ほどゲーム投稿の部門では「該当作なし」が続いており、今回もそうだった場合には賞そのものの廃止を検討していました。ところが、今回は既存のゲームコンテストとは異なるクリエイター層が応募してきた結果でしょうか――過去回とは全く質の違う熱気あふれる選考となり、見事に佳作2本、大賞1本が受賞となりました。


 今回は、20代の女性クリエイターからの挑戦が目立ちました。これが過去のコンテストとの最大の違いとなります。
 しかも、彼女たちのRPGツクールの使いこなしは全体的に優れており、なによりも現代的なゲームやイラスト、ストーリーの感覚を備えた作品が多く見受けられました。残念ながらほとんどの作品は受賞に至りませんでしたが、こうしたセンスの作品が今後クオリティの高い形で登場した際には、ゲームの歴史に一定のインパクトを与えるはずです。本当にワクワクさせられました。
 2012年の『Ib』公開から7年。従来とは異なるフリーゲーム文化、そしてゲーム実況が当たり前にあるなかで育ったユーザーたちが、今ついに自身も「作り手」の側に回ろうとしている――そんな印象もあり、2Dゲーム文化の将来がとても楽しみになる選考でした。

◆ ◆ ◆


 さて、選考の基準についてお伝えすると、この賞の審査で最も重視しているのは、「ゲームの素養」です。ゲームマガジン編集部が作家に連載を声がけする際に、最も重要視している項目でもあります。ただし、それはSteamのインディーゲームでよく見かけるような、ゲーマーならニヤリとする「メタい設定」が取り入れられているとか、カリカリにバランス調整を頑張ったゲーマー向け仕様になっているとか、そういう話ではありません。むしろ、そんなことよりもゲームの「面白さ」や「つまらなさ」を素直に感じ取れる、“素朴な感受性”の有無を丁寧に見ています。

 例えば、「自分でルールから構築できるので、ゲームは色々な表現ができる」という言い方があります。しかし実際には、それは成り立ちません。デタラメに鳴らした楽器が「不協和音」を発してしまうように、人間が面白いと思えるゲームデザインや操作になっていないゲームは、残念ながら遊ぶのは困難です。ましてや音楽と違って、ゲームはプレイヤーが「能動的に遊ぶ」ことで、初めて成り立つ体験でもあります【※】。
 そして、その感受性を常に働かせながら作っているか否かは、制作されたゲームの演出から操作からあらゆる場面で、かなり明確に出てくると私たちは考えています。

 ※「遊びたくなるゲーム」とは何かを考える手がかりの一つとして、例えばかつて弊編集部のメンバーたちも参加していた、電ファミニコゲーマーの「ゲームの企画書」などの記事たちが参考になるかもしれません。他にも、ゲームの「面白さ」を考えた書籍などは少なからず出版されていますので、ぜひ手に取ってみて下さい。

 こうしたコンテストには、普段からゲームを操作すること自体が好きで好きで仕方ない……という人が応募してくることが多いと見受けます。でも、それが「面白さへの敏感さ」につながっている人もいる一方で、明らかに「つまらなさへの鈍感さ」につながっている人も決して少なくありません。
 しかし、ゲームのこういう「面白さ/つまらなさ」を感じ取れる、鋭敏な感受性の先にこそ、「あなただけの想い、あなただけの世界」を繊細に表現していく創作力が打ち立てられる……これまで様々なクリエイター様たちとの出会いや成長を見届けてきた中で、そう私たちは確信しております。
 正直なところ、ゲーム制作は始めるハードルそのものが高いので、とにかく難しいこと考えずに「Youやっちゃいなよ!」と言いたい本音もあるのですが、今後もコンテストとしてはこの基準を大事にしていきたい――そう思っております。
 

 受賞者には、後ほど編集部よりご連絡を差し上げます。


結果発表

大賞

作品名:お結び

ペンネーム:日下部 一(STUDIO LIBERA)

      

 
 満場一致での大賞となりました。

 和風の世界観で、『Ib』のように不思議なことが起きる部屋たちを巡っていくホラーゲーム……なのですが、途中に挟まれるアクションの面白さ、ストーリーの魅力、キャラのセリフの「言葉選び」の的確さ、アートワーク――どれをとっても新人賞の水準を超えています。

 ゲームとしては(だいぶ乱暴にまとめますが……)「謎解き」の代わりに「死にゲー」がたくさん入った『Ib』という趣なのですが、セーブポイントの置き方も配慮されており、学習効果もしっかりと考えられているため、詰まることはありません。高頻度でゲームオーバーになる作りではあるのですが、まさに総評でも書いた「ゲームの面白さ/つまらなさ」への感受性が鋭敏な方と見受けられ、最後まで楽しくプレイできる内容になっています。

 ADVゲームとしての物語も、大変に魅力的でした。まず主人公が“ぽっちゃり”な女子高生(よく見ると、キャラチップもしっかり太らせている凝りっぷり!)なのですが、とても可愛らしく描かれています。ただの「キレイでカワイイ女子」を主人公にせず、それもしっかりと物語上の意味がある形で描いたことは、大きく評価されました。

     


 しかも、そんな主人公の活躍ぶりも、カッコいい。どんな障害を前にしても強い意志で乗り越え、屋敷の中を駆け回っていく姿は、まるで近年のディズニープリンセスたちのよう。まさに2019年のゲームのヒロインにふさわしい、現代性を備えていると思います。
 一方で世界観を演出する、屋敷の様々な和風の意匠や仏教を背景にした世界観設定も、とても安定感のある仕上がりになっており、作者の知的素養の高さを感じさせる内容でした。これを3ヶ月で制作したのは、相当に実力が高いと思います。
 
 以上のように、本作は新人賞の他作品の水準を超えたホラーADV作品であると判断しておりますが……それを踏まえた上で、あえて最後に編集部より、 一点だけ指摘させていただきます。
 

◆ ◆ ◆


 本作で一つ大きな課題があるとすれば、ヒロインと共に行動する“色男”な(!)男性キャラクターの一茶が、主人公の「盛りたて役」の域を出ていない点ではないでしょうか。

 例えば、『Ib』のギャリーであれば、幼いイブを守り抜く「庇護者」としての頑張りがあり、『殺戮の天使』のザックであれば、13歳のレイチェルをなんだかんだで助けていく「漢気」があり、それが物語の終盤で大きな感動を生み出していきます。そんなフリゲでよく見かける「男女コンビ」モノの系譜として見ると、一茶は相当に「ヒロインを助けてくれない」男性キャラではないかと思います。むしろ、何があろうとグイグイと突き進んでいくヒロインの強さに助けられっぱなしの印象のほうが、圧倒的に強くあります。
 
 一方で、一茶の「ヒロインいじり」なんかは楽しいです。色男として、主人公にかけてくるちょっかいと、それへの主人公の反応は、とても可愛らしい。
 とはいえ、選考会ではこの辺りも、少し議論になりました。一茶は、果たして何者なのでしょうか――女子高生にあけすけに声を掛けられる色男である一方で、時空を越えて一人の女性を想い続ける男でもあり、春画のような二次元絵をチラチラと覗き込むスケベでもある――どれも女好きな男の特徴といえばそうですが、他の箇所の繊細さに比較して、やや場当たり的に人格の特性が変わっている印象も持ちました。

 
 おそらく一茶は、ヒロインから可愛らしい反応を引き出し、また彼女がカッコよく大活躍するための「装置」として、優れています。もちろん、そういう描き方そのものを否定するわけではありません。少年漫画には、しばしば「場面の都合で、性格や感情がコロコロ変わる」ヒロインなんかが出てきますが、それで男性主人公と読者の少年たちのテンションが上がるならOKなわけです。
 ただし本作が、一茶が気の遠くなるような時間の中で苦しんだ悩みに向き合い、それを主人公が救ってあげる壮大な物語であり、ラストの展開の盛り上がりが「そんな一茶を助けてあげたい」と、その瞬間にプレイヤーがどれだけ自然に感じられるかに賭けられていることを思うとき――ああ、もっとヒロインのために一茶が死ぬ気で頑張ってくれてたり、人間味を感じられる彼の姿に出会えていたらなあ……と思ったのも事実です。

 もし、この魅力的なヒロインと一茶が、もっと強靭な関係性を築けていたら。きっとADVゲームとして、次の水準に飛躍した内容になるのではないかと思います。
 

佳作

作品名:Mono.

ペンネーム:N-Lab.

      

 
 Unityを用いて開発された、2D横スクロールアクションのゲームです。他に使用されているソフトからも、まずは技術力が一定程度、備えられた作者であることがうかがえます。

 特徴としては、東方Projectを思わせる「弾幕シューティング」の要素が、2D横スクロールアクションに盛り込まれています。また、不思議な世界観の中を横スクロールアクションで詩情たっぷりに進んでいく展開は、フレーバーテキストから何となく見えてくる物語や、統一感のあるアートワークなども含め、とてもポエミーな雰囲気です。
 佳作を受賞した理由は、上記にあるような技術力とアートワークが一定の水準にあると判断したためになります。

    


 一方で優秀賞にならなかった理由は、コンセプトの弱さ、そしてその派生の問題系としてのアクションゲームの「快楽」の弱さ――端的に言えば、しっかりとした技術をまとめ上げるクリエイティブの方向付けの弱さです。

 審査で本作について「気になる」と話題になった点を、二つ挙げます。
 一つは、なぜ横スクロールアクションとして、右から左への移動を採用しているのかということです。往年の名作『洞窟物語』などは、融通無碍に色々な移動を駆使しており、この方向に動いていくステージも珍しくないですが、基本的には特殊な進行ではあります。例えばストーリー内で「冥界の中に迷い込んでいく」などの、違和感を覚えさせるナラティブであえて使ったりすると上手くいく類のもので、この部分について、どれほど確信を持った選択だったのかが、議論になりました。
 また、もう一つ話題になったのは――後半になるにつれて多くなるのですが――弾幕が離れていくのを「待つ」シーンが増えることです(もちろん上手にプレイすれば、待たなくても行けます)。2Dアクションゲームで「じっと待つ」作業は、それなりにストレスを伴う行為で、そこに何らかの「快楽」を意図している可能性はあるかと話し合われたのですが、やはり明確な結論は出ませんでした。
 

◆ ◆ ◆


 こうした議論の中で審査員が探っていたのは、本作は「何を楽しんでほしいゲームなのか?」ということです。結局、2Dアクションのゲームデザインとしては明確なコンセプトが(私たちには)見つからず、チュートリアルや学習効果についても、甘さが目立つ内容だと判断させていただきました。
 ただし、テキストやアートワークを含めた、詩情あふれる世界観に浸って操作を楽しませたいという意思は伝わってきて、弾幕シューティングにも美的な側面としての機能はあると捉えています。しかし、その場合には、初見で死ぬ可能性がそれなりに出てくる作りなど、このゲームの仕上げ方が果たして妥当なのかは議論される必要があります。

 おそらく、様々なデジタルツールを利用して、一つ一つの要素をしっかりと制作されているのを見るに、この作者の方は手を動かしてものを作ることそれ自体が、本当にお好きなのではないかと見受けます。そうして得た素晴らしい技術を、強い意志とコンセプトを持って一つの方向へとまとめ上げる機会があれば、きっと大きなブレークスルーがあるのではないかと思いました。


 ※なお、ゲームマガジンの有名作品がADVゲームであることもあり、今回はUnity製のゲームは少なかったように思います。しかし、本コンテストは特にジャンルを限ってはいません。また、私たちが「RPGツクール」的な文脈の作品に限ってサポートしているわけでもありません。

『Touhou Luna Nights』Steamストアページ


 実際、所謂インディーゲームに近い文脈でも、初期に『ファラオリバース』で活躍されたクロボンさん(※現在はTeam Ladybugとして活動中)を、ゲームマガジンとは別の形で、その後も制作をサポートさせていただいております。今年バカー社からパブリッシュした新作『Touhou Luna Nights』などは、現在Steam上で世界的な大ヒットになっており、2019年に最も遊ばれているインディーゲームの一つとなっています。
 様々なジャンルで多様なサポートが可能な場ですので、Unity使いの「本格派」な方でも、興味ある方はぜひ次回の賞でご応募下さい。


    

佳作

作品名:ドリートポーカー!

ペンネーム:psycho02

 
 賞を送らせていただいた一番の理由は、今回の投稿の戦略性(?)に見える、「遊び人スキルが高そう」な感じです。
 「ショタ」を押したストーリーに、ポーカーというシンプルなゲームを入れて、元気いっぱいの個性的なUIを乗せて……と、この賞に送るゲームにどの程度の時間を割くのかをちゃんと考えた上で、自分の個性を必要十分なだけ詰めて投稿してきたように思われて、そこが審査では「面白い」となりました。

 また、思い切った個性的なUIはそれ自体が魅力的ですし、今の時代にゲームを遊ぶなら、この程度には演出を頑張ってほしい……という水準も見えている方のように思います(ただしUIについては、賑やかで楽しいのは素晴らしいのですが図と地が判別しづらく、そういう部分で工夫の余地はまだまだあります)。

 余談ですが、アツマールに投稿している他の作品もプレイさせていただきましたが、本当にショタが好きなのだな……と感服しました。この作者の方は、もっともっとフェティッシュに全力で振り切った作品を制作されてもいいのではないかと思います。
 もっと攻めた内容の作品も、ぜひ楽しみにさせてください。

   
 

受賞商品

大賞

賞金20万円

副賞(Adobe Creative Cloud コンプリートプラン12ヵ月分)
+担当編集がつくことがあります

佳作

担当編集がつくことがあります

副賞(Adobe Creative Cloud コンプリートプラン12ヵ月分)

 受賞者には、賞金や副賞に加えてあなたが、「ゲームを作って生きられる」環境を実現できるよう、編集部が全力でバックアップいたします。
 それは、具体的には以下のようなサポートです。

積極的なメディアミックス支援

 映像化やコミカライズ、グッズ化など、様々なメディアミックスにまつわる事柄を、編集部が様々な企業と繋いで、原作者との綿密な連携でコラボを手伝います。

アニメ
漫画
小説
グッズ展開

学生以下限定 超新人部門 ゲームの企画書を書いて応募!

                            

総評

 
 第二回となった今回のコンテスト、まずは前回に続いての沢山の応募、本当にありがとうございます。
 企画書の文章やイラストから、各々の応募者の方が本当に心を――そして気合いを(!)込めて送ってきたのが伝わりました。その想いを受け止めるべく、慎重に審査をさせていただきました。

 さて、今回もまた、前回と同じ基準で応募作品を審査しております。

<第一回の審査基準(総評)についてはこちら>
     
 ただし今回は大きく二点、応募時点での条件を変更しています。これについて、まずは意図を説明をしたいと思います。
 
 まず第一に、応募作品にイラストをつけることを条件としました。
 これは、自分が制作する作品の具体的イメージを、応募者の人に持ってもらうために必要なものだと、第一回のコンテストを通じて考えたためです。また、私達としても言葉では表現しきれない、その人の「個性」を捉えるために必要であると考えました。

 続いて、制作チームの人数を二人以下としました。
 これはゲームマガジン編集部が、作家に対して連載の声がけを行う際に強く基準としている項目で、それをこの賞にも反映させた形になります。三人以上のチームを運営するためには、多くの場合、面白い作品を生み出す能力とは別に「人間関係」や「計画性」の能力(「マネジメントスキル」)が必要になります。そのため、完成の見込みを企画から判断することは、そもそも不可能であると考えました。

 その結果として今回は、既にイラストや小説などで自分なりの創作活動を始めており、自分で手を動かすところまで、創作への熱意が高まっている人からの応募が増えました(※)。届いた作品の熱量は、十分に熱かった前回を超える水準だったと思います。

 そこで今回は、単にアイディアだけでなく、イラストや文章から見えるその人の「個性の魅力」にも前回以上に重点を置いて、選考を行うことになりました。
  
 最後に。前回の「総評」の結びでも書きましたが、今回も「ここにある全ての作品が、実際にゲームとして発表されたらいいのに」という想いは変わりません。インターネットでは誰もが作品を発表することができます。ぜひ、様々なサービスで、あなただけの想い、あなただけの世界が投稿されるのを楽しみにお待ちしております(もしよければ、投稿時にはご連絡下さい…! 楽しみにプレイさせていただきます!)。

 
 ※その一方で、まだ何も始めていない十代の人が一歩を踏み出す場としては、弱くなってしまったと私達は思っています。実際、前回のようにイマジネーションが爆発した壮大な構想のゲーム案は減りました。次回以降のコンテストでは、そういう部分をもっとすくい上げられる形も、また模索していければと思います。


 受賞者には、後ほど編集部よりご連絡を差し上げます。

結果発表

優秀賞

作品名:救ウ夢

ペンネーム:暮部(17歳)

 今回の優秀賞をどの作品に与えるべきかーー最後まで議論が続きました。

 とはいえ、議論は尽くしましたが、この『救ウ夢』が優秀賞になった理由は、シンプルです。魅力的な物語設定、まだ発展途上ながらも仕上げられたイラストから見える、作者の観察力と表現センス。そして、「ゲームまで現実を見なくていい」というメッセージです。

 まず、いじめられっ子の主人公が描いた自作のキャラクターたちが現実に登場してきて、彼のことを「助ける会」をスタートさせるという設定が、多くの人を惹きつけるポテンシャルを持つと思いました。
 主人公のオリキャラたちも、ポテンシャルを感じる人物たちです。特に私たちが注目したのは、キャラの服装における「観察力」でした。こういうタイプの人間は、こういう髪型で、こういう服装をしている傾向がある――シンプルながらも、普段からしっかりとフィクション/リアルを問わずに周囲を観察している人が、"なんとなく"ではなく意図を持って要素を描いているのが伝わりました。生き生きと物語の中で動く光景が期待できるキャラたちだと思います。

 また、企画書に付された「なにを表現したいのか」の文章も、素晴らしいと思いました。
 でも、それはこの方の文章に書かれた「ゲームまで現実を見なくていい」などの言葉が正しいと思ったから……ではありません。私たちが評価したのは、むしろそれが、本当はとても極端なメッセージであるからです。

 創作は、まず自分の中にある大事な想いと向き合うことから始まります。そして表現を磨く過程で、必ず自分の想いが伝わらない「他者」と出くわします。そこで踏ん張って、他者との「溝」に向き合った人の表現こそが大きく飛躍することになるのですが、そもそも「自分だけの想い」がなければ何も始まりません。
 重要なのは、そのときに普通の人が聞いたらゾクッとするくらいのものの方が、飛び越える溝が大きくなり、作品もまた大きくなるということです(ゲームマガジンの連載作品では、『殺戮の天使』が最良の例だと思います)。まずは、その一歩を踏み出している方だと思いました。
 ここから、この作者がどんなふうに物語を発展させていくのか――とても完成が楽しみな作品だと思いました。

  

 以下、優秀賞とはならなかったのですが、応募作で印象的だった作品です。


◆『ふぃくす・ふぃくす・あいらんど』(ペンネーム:さめびレ)

 『救ウ夢』を除けば、審査では本作の評価が高かったです。
 特に印象的だったのは、もはや企画書というより一遍のストーリーとなっている、長大なあらすじです。捨てられていく存在たちへの「愛惜」をたっぷり込めたロボットの物語は、この作者が情緒豊かで、きっと幼少期からとても良い物語体験をしてきた人なのだろう、と思わせるに十分な内容でした。
 また、企画書に付された、水彩のイラストやドット絵たちからも、自分なりの美意識が既に芽生えだしているのを感じました。とても素晴らしいポテンシャルをお持ちの方であるように思います。
 ただし「良い物語」ではあるものの、作者だけの個性的な世界が打ち出されて、その魅力で「他者」をグイグイと惹きつけていくところまでは、まだ足りないという判断があり、優秀賞は見送らせていただきました。


◆『繋グハナグルマ』(ペンネーム:lp(るぷ))

 今回送られてきた企画書の中では、最も完成イメージが明確に見える作品でした。「電話交換手」という職業に着目して、大正ロマンの物語を――それもゲームシステムと密に組み合わせた形で――展開させるのは、とても面白い体験になるはずです。
 しっかりと時代背景の下調べも行われており、作者の知的素養の高さもうかがえる企画書でした。


◆『Fiesta』(ペンネーム:nemui)

 とにかく自分の描きたい世界観を大事にして、イマジネーションを広げた企画でした。今回、応募条件を少し厳しくしたことで、明らかにこうした作品は減ってしまいましたが、この賞が求めているのは、まさにこういう企画書です…!
 (相当に)ダークな背景の世界観を持ちながらも、ゲームとしては遊園地を舞台にした、とても楽しい企画書だと思います。イラストも、まだまだ発展途上で荒削りながらも、個性豊かなキャラクターや絵で楽しませようとしているのが伝わってきました。実際に仕上げるのは相当に大変だと思いますが、ぜひ完成した作品を見てみたく思います。


◆『電脳勇者[マロイド]』(ペンネーム:リロル)

 今回送られてきた企画書で、最もパワフルなものでした。すでに具体的に仕上げた要素の動画まであり、大量のドキュメントで描かれたストーリーの記載量は圧巻です。大事な想い出から発した表現の「切実さ」や、そんな熱い自分を客観視しようとする姿勢も素晴らしいものだと思いました。
 かなりまとめ上げるのに労力のいる作品ですが、ぜひこの勢いでグイグイと突き進んでいただき、完成したゲームを見てみたいと思いました。
 なお、審査ではイラストの、物語性を感じさせる一枚絵の魅力が高い評価を受けました。「漫画家を目指せるのでは?」という声もありました。この作者の方の熱いパッションを表現に乗せられる強力な武器だと思うので、ぜひ今後の創作での活かし方を考えてみるとよいのかもしれません。

受賞商品

優秀賞

ゲーム制作用PC貸与(RPGツクールMVインストール済み)

(ゲームマガジンでのゲーム掲載時には、貸与したパソコンをそのまま贈呈致します)

副賞(Adobe Creative Cloud コンプリートプラン12ヵ月分)
+担当編集がつくことがあります

応募の際の注意点

■注意事項
【応募の際の注意点】
※各賞、審査員判断で「該当者なし」の場合もあります。
※複数応募可です。ただし複数応募の時は、1作品ごとに送ってください。
※第三者の著作権その他の権利を侵害した作品(他の作品を模倣するなど)は応募が無効となる可能性があります。
※応募者には、応募作品が第三者の権利を侵害しないものであること及び応募作品に
第三者の素材等を利用している場合は
当該第三者から応募にかかる一切の権利許諾を受けているものであることを保証いただきます。
※原則的に未発表の作品とは「公開されておらず、プレイヤーが遊ぶことができないもの」とします。
※各部門の「応募要項」については、募集期間中に変更になる場合があります。変更前に応募された作品については、変更前のルールに則って審査いたします。
※応募先のアドレス「contest@vaka.co.jp」の「v」(ブイ)は、フォントデザインの都合上「u」(ユー)に見えますが、「v」(ブイ)です。

【あらかじめご承諾いただく事項】
※選考部分に関する問い合わせにはお答えできません。
※受賞者の発表まで、応募して頂いた作品の発表や他社への売り込みは禁止致します。
※応募者は、受賞作品に関する各種権利 (応募作品の応募作品の上演、演奏、上映、送信
(自動公衆送信の場合にあっては、送信可能化を含みます)、
頒布、譲渡、貸与、翻訳、変形、脚色、映画化その他の翻案に関する権利を含む)についての
優先交渉権を当社に付与するものとします
※受賞者のユーザーネーム、ゲーム概要を公表することがあります。
※応募者の個人情報は、本募集企画を実施する目的以外で利用いたしません。
その他個人情報の取扱いについては利用規約の個人情報保護方針をご確認下さい。
※受賞に際してはインタビューなどのPR活動にご協力いただくこともあります。