現代日本で平凡な生活を送っていた三人の若者。
そんなある日、彼らの目の前にトラックが…!
彼らが暗闇から目を覚ますと、見知らぬ世界。
彼らは、それぞれに道を歩み始める。
きっかけは、誰もが抱くささやかな善き意図。
なれども、些細なすれ違いから銃と魔法の革命戦争として結実。
後世の歴史書に曰く、『銃魔大戦』。
気が付けば、彼らはそれぞれの立場で激動の時代へと飲み込まれていく。
一人は、不公正と戦う革命者として。
一人は平穏を取り戻す守護者として。
最後の一人は沈みゆく国家を救わんとする改革者として。
さぁ、貴方が。否、貴方こそが、歴史を定めるのだ。
文・カルロ・ゼン
その大陸は二百年の平和を享受してきた――。
魔法を極めし魔法文明ことコモンウェルスと、周辺諸国が不和を取りつくろう秩序。
それは、魔法を使えぬ人々の居場所を排した平和でもあった。
そんな仮そめの秩序に『あなた』は叫ぶ。これは間違いだ、と。
かくして、魔法から疎外されし人々は銃を手に蜂起する。
ユニマール朝の亡骸より『あなた』と共に決起するは、号して”シュヴァーベン革命軍”。
聞け! 革命軍が銃声でとどろかす正義・自由・平等の叫びを!
文:カルロ・ゼン
『あなた』はそれを鼻で笑うだろう。
オムツを履き忘れた間抜けめ、と。
そして、次には吐き捨てるに違ない。
私が、捨てるのか、と。
それは、望まぬ舞台だ。演者が望むのは、ただ小さな平穏。しかして、平穏は儚く、そして遠い。故に、一匹の蝶はあがくのだ。
1匹の蝶の羽ばたきが、巡り巡って竜巻を引き起こしうるだろうか? 否定はできまい。なんなれば、歴史とは、偶然の寄せ集め。
コモンウェルスの未来は可能性と混沌に満ちている。
一つの文明が、砂上の楼閣のように歴史の風塵に呑まれていく。
立ち尽くし、誰もが唖然として嘆くことだろう。
時の試練は残酷だ、と。
だが、『あなた』はそれを良しとはしまい。
国家第一の僕たる皇帝としてみれば、当然だろう。
『あなた』は国家に奉仕せんことを宣誓し、
公僕たることを己に律したのだから。
だから、抗おう。
さぁ、叫ぼう。
おお、永遠なれ、我らが祖国オルハンよ!
汝を、どうして、沈めようか!
おお、永遠なれ、我らが祖国オルハンよ!
汝を、どうして、沈めようか!
文・カルロ・ゼン