帝国

トリル・オルハン

(オルハン神権帝国皇帝)

大陸南方の覇者たる第23代オルハン神権帝国皇帝。衰微しつつあった帝室の権威と穏やかな停滞を克服すべく国土の砂漠化にあらがうべく改革を断行。斜陽の帝国が砂漠にのまれる未来を峻拒した彼の意志は、大陸南方におけるレコンキスタとして結実する。

自身を国家第一の僕と信じる公僕であり、帝国に住まう人々の生命と財産の保全こそが究極の行動原理。帝国の平和を回復することで、法と秩序による人民の庇護を実現すべくつとめる勤勉な為政者。文武に優れる一方で、権力というものへの戸惑いをぬぐえない甘さは彼の持つ最大の魅力であると同時に最大の弱点である。歴史書にいわく、善良な心のはいった、悩めるずるく賢いライオン。

トリル・オルハン

カーラ・ムルスタフ

(女性:帝国軍西方軍軍団長官)

コモンウェルスより逃散した貧困農民層出身の女性ながら、オルハン神権帝国軍において西方鎮護の重責をになう。もともとは借金のために姉もろとも売り飛ばされたところで、オマーに連れ出されて視察におもむいていたトリルに買われた元奴隷。居場所をつかむべく勉学に奮励。軍才を認められたのちは、卓越した騎兵として実力でもって将軍位をつかみとった猛者。忠犬と称されるほどの忠誠心をほこり、トリルの始動する諸改革の猛烈な推進者としても腕をふるっている。姉同様に帝国こそを故郷と考えており、おだやかな帝国のゆるやかな専制を誰よりも善なるものとして信じてやまない愛国者でもある。

アルマ・ムルスタフ

(女性:帝国軍第二近衛軍団長官)

オルハン神権帝国において、皇帝の傍に近侍する近衛軍団長官の一人として智謀を讃えられる知将。トリル・オルハンの懐刀として最も信任のあつい側近であると同時に、心に寄り添う佳人でもある。穏やかな微笑みを浮かべる一方で、狂信と評されるほどの忠誠心でもって知られる強烈な意志をもつ。同時に戦地に会っては最後の一兵まで持ち場を保たせる強靭かつ苛烈な戦意の持ち主であり、帝国の正義を信じて疑わない帝国主義者。妹と共にトリルの国政改革を断固たる姿勢でもって遂行することでも知られている。

オマー・イェナヒム

(男性:帝国軍第一近衛軍団長官)

オルハン神権帝国において、皇帝の傍に近侍する近衛軍団長官の一人としてその武勇をとどろかす猛将。生まれながらの帝国人であるがために、帝国の現状を是認している。ほこり高い軍人であり自身の任務を帝国の防衛と信じ、伝統をおもんじる保守主義ながら改革の必要性も理解するバランスの取れた感覚の持ち主としても知られる。長い伝統をほこるイエニチェリ軍団にあってすら、稀なまでの武勇と知性をほこる万能人。能力を買われ、トリル幼少期には彼の教育係としてつかえていたこともある。

レディング・チャンダリール

(男性:大宰相)

オルハン神権帝国の緻密な官僚制の頂点にたつ熟達の行政官にして、たくみな外交経験をほこる老政治家。官僚機構の限界と潜在性について熟知しており、オルハン神権帝国の官僚制度に負荷をあたえるような対外進出について、トリルと方針を異にしていることを公言してはばからない。他方で、個人としては卓越した官僚であると同時に、たくみな魔法の使い手として壮年期までは前線にあって勇を振るった変りもの。学究の分野における第一人者としても高名な人物であり、オルハン神権帝国きっての法学者として実務と理論の橋わたし役としても辣腕を振る才人として知られる。

バルド・ニングス

(男性:帝国軍水陸軍司令長官)

新設された水陸軍司令長官をつとめる元海賊。自由な海を愛する航海者であり、自由都市同盟の海域支配に対する反発から武器を取った自由主義者。転じて、海賊に身を投じ自由都市同盟艦隊と激戦をくりひろげてきた歴戦の兵。

大陸国家として陸軍偏重であったオルハン神権帝国軍のとぼしい水上戦力増強のために、帝国軍に編入された海賊らを取りまとめ、自由都市同盟海軍への襲撃する戦人として海の戦いを担当。自由気ままな海賊らを組織化しつつ、精強な自由都市同盟艦隊と状況次第でわたりあえるまでに鍛え上げた帝国史上において唯一の海軍提督として、自由都市同盟にすら名をとどろかせている。